労災保険をわかりやすく解説|仕事中・通勤中のケガをしたらどうする?
どうも、「まねのーと」です😊
※この記事はFP3級に合格した「まねのーと」が、その後も制度を整理するためにまとめた内容です。
「仕事中にケガしたけど、病院代はどうなるんやろ?」
「会社に言ったら迷惑をかけるんかな……」
仕事をしていると、こんな不安を感じることがありますよね。
特に建設現場などでは、転倒や切り傷、打撲、骨折など、仕事中のケガが起こる可能性があります。
「まねのーと」も建設会社で現場監督をしていますが、実際に仕事中に転倒して右手を骨折し、労災保険を使った経験があります。
この記事では、そんな実体験も交えながら、労災保険を初心者にもわかりやすく解説します。
「仕事中にケガをしたけど、結局どうすればいいの?」
そんな人は、まずこの記事を読んでみてください。
この記事のポイント
- 仕事中・通勤中のケガは、まず労災を確認する
- 労災なら治療費は原則として自己負担なし
- 仕事を休んだ場合は休業補償の対象になることがある
- 後遺症が残った場合は障害補償の対象になることがある
- 会社が労災を認めなくても、会社だけで決めるものではない
- パート・アルバイトも原則として労災の対象
- FP3級では「業務災害・通勤災害・休業補償」を押さえておきたい
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労災保険をわかりやすく|まず知っておきたい基本
結論からいうと、仕事中や通勤中のケガ・病気などは、労災保険の対象になる可能性があります。
労災保険とは、
仕事や通勤が原因で起きたケガ・病気・障害・死亡などを補償する制度
です。
厚生労働省によると、労災保険は原則として、1人でも労働者を使用する事業に適用され、パートやアルバイトなど雇用形態にかかわらず労働者が対象になります。
たとえば、
- 現場で転倒した
- 工具で手を切った
- 作業中に足を骨折した
- 重い荷物を持って腰を痛めた
- 通勤途中に交通事故にあった
といったケースです。
労災保険と健康保険は何が違う?
ここは、かなり重要です。
簡単にいうと、
仕事・通勤が原因 → 労災保険
仕事とは関係ない病気やケガ → 健康保険
と覚えておくと分かりやすいです。
| 労災保険 | 健康保険 | |
|---|---|---|
| 主な原因 | 仕事・通勤 | 私生活 |
| 治療費 | 原則自己負担なし | 原則3割負担など |
| 休業時の給付 | あり | 労災とは別制度 |
| 障害が残った場合 | 障害補償の対象になることがある | 労災の障害補償とは別 |
※実際の給付には、それぞれ支給要件があります。
労災保険の療養補償給付では、業務災害などによる傷病について、必要な療養が給付されます。
労災保険の対象になる人は?
「正社員じゃないと労災は使えないんちゃう?」
と思う人もいるかもしれません。
でも、これは違います。
パート・アルバイトなどでも、原則として労災保険の対象です。
厚生労働省も、雇用形態にかかわらず、雇用関係があり賃金を受け取っている労働者であれば、業務や通勤によるケガなどについて労災保険給付を受けられると説明しています。
労災保険料は誰が払っている?
ここもFP3級では覚えておきたいポイントです。
労災保険料は、原則として全額会社が負担します。
つまり、会社員が給料から労災保険料を負担しているわけではありません。
一方、雇用保険は会社と労働者の双方が負担します。
| 保険 | 保険料の主な負担 |
|---|---|
| 労災保険 | 全額事業主負担 |
| 雇用保険 | 事業主+労働者 |
厚生労働省も、労災保険分は全額事業主負担としています。
現場のリアル|「労災隠しをしない」が当たり前になった
ここは、建設現場で働く「まねのーと」が実際に感じていることです。
「まねのーと」は建設会社で現場監督をしています。
ここ数年、多くの建設現場で新規入場教育のときに、こんなことを言われます。
- どんな小さなケガでも元請けに報告する
- 絶対に労災隠しをしない
そして、教育を受けたあとに署名を求められる現場もあります。
「まねのーと」自身も、実際に仕事中に転倒して右手を骨折し、労災保険を使いました。
そのとき最初に思ったのは、
「現場に迷惑がかかるなぁ……」
でした。
でも、結果的には、
ケガを報告する → 病院を受診する → 労災の手続きをする
という流れで治療を受けることができました。
一方、昔の建設業界では、
「労災を使わず、会社で治療費を出すから……」
という対応が珍しくなかった時代もありました。
ただ、労災事故を隠したり、虚偽の労働者死傷病報告を提出したりする「労災隠し」は問題となります。
厚生労働省も、労災隠しについて厳正に対処するとしています。
だからこそ、今は
小さなケガでも報告する
という考え方が大切になっています。
労災でもらえるお金・受けられる補償
では、実際に労災になると何を補償してもらえるのでしょうか。
代表的なものを見ていきましょう。
① 治療費|療養(補償)等給付
仕事中のケガなどで治療を受ける場合、労災保険から必要な療養が給付されます。
労災指定医療機関などで療養を受ける場合は、原則として治療費の自己負担はありません。
つまり、
仕事中のケガだから健康保険を使って3割負担
という考え方ではありません。
まず病院で、
「仕事中のケガです」
と伝えることが大切です。
② 仕事を休んだ場合|休業(補償)等給付
ケガの治療のため仕事を休み、その間の賃金を受け取れない場合は、休業補償の対象になることがあります。
ここはFP3級でも覚えておきたいところです。
休業4日目から、
給付基礎日額の60%
が休業(補償)等給付として支給されます。
さらに、
給付基礎日額の20%
の休業特別支給金があります。
そのため、合計すると、
60%+20%=80%
となります。
たとえば1日1万円なら?
単純化すると、
| 内容 | 金額 |
|---|---|
| 休業補償給付 | 6,000円 |
| 休業特別支給金 | 2,000円 |
| 合計 | 8,000円 |
というイメージです。
ただし、実際の計算では「給付基礎日額」が使われるため、単純に毎月の給料を30日で割った金額になるとは限りません。
最初の3日間はどうなる?
ここも重要です。
休業補償は原則として4日目からです。
では、最初の3日間はどうなるのか。
業務災害の場合、休業1~3日目については労災保険から休業補償給付は出ません。
その代わり、会社が労働基準法に基づき、平均賃金の60%を休業補償として支払います。
FP3級なら、
休業補償給付=4日目から
と覚えておくとよいでしょう。
③ 後遺症が残った場合|障害(補償)等給付
治療を続けても症状が残ることがあります。
その状態が「症状固定」となり、一定の障害が残った場合には、障害等級に応じて年金または一時金が支給されます。
厚生労働省によると、業務災害で1級~7級に該当する障害が残った場合は障害補償年金の対象となります。
「ケガを治療して終わり」だけではなく、
後遺症が残った場合の補償もある
ということを覚えておきましょう。
【図解】仕事中にケガをしたらどうする?
仕事中にケガをしたときは、難しく考えすぎなくて大丈夫です。
基本的な流れは、
ケガをする
↓
安全を確保する
↓
会社・上司・元請けへ報告
↓
病院で「仕事中のケガ」と伝える
↓
労災保険の手続きをする
↓
労災保険の給付を受ける
という流れです。
※実際の手続きや提出書類は、業務災害・通勤災害、受診する医療機関などによって異なります。
ケガをした直後にやること3つ
ここは、実際にケガをした人にとって重要な部分です。
① まず安全を確保する
事故が起きた直後は、二次災害を防ぐことが最優先です。
無理に作業を続けないようにしましょう。
② 会社や元請けに報告する
「これくらいなら大丈夫やろ」
と思っても、ケガをした事実は報告しておくことが大切です。
特に建設現場では、
小さなケガでも報告する
というルールが設けられている現場もあります。
③ 病院を受診する
ケガが軽く見えても、後から痛みが強くなることがあります。
病院では、
「仕事中のケガです」
と最初に伝えましょう。
通勤中の事故なら、
「通勤中の事故です」
と伝えます。
仕事中のケガで健康保険を使ってしまったら?
「仕事中のケガなのに、間違って健康保険証を使ってしまった!」
そんな場合も、慌てなくて大丈夫です。
ただし、そのままにしてはいけません。
まずは受診した医療機関に、
健康保険から労災保険への切り替えができるか
確認しましょう。
病院側で切り替えできる場合もあります。
切り替えできない場合は、健康保険側への返還手続きなどを行ったうえで、労災保険へ請求する方法があります。
「健康保険を使ってしまったから、もう労災は使えない」
というわけではありません。
ただ、後から手続きすると少しややこしくなるので、
最初から病院に「仕事中のケガ」と伝える
のがおすすめです。
通勤中のケガも労災になる?
ここ!よく勘違いしがちです!
通勤中のケガは「通勤災害」として労災保険の対象になることがあります。
通勤災害とは、簡単にいうと、
仕事に行くため、または仕事から帰るための移動中に起きた災害
です。
法律上は、住居と就業場所との間を、合理的な経路・方法で往復することなどが「通勤」とされています。
たとえばこんなケース
- 自宅から会社へ向かっている途中
- 会社から自宅へ帰っている途中
- 電車通勤中に事故にあった
- 自転車通勤中に転倒した
- 通勤途中に交通事故にあった
などです。
ただし、通勤中なら何をしていても労災になるわけではありません。
通勤途中に寄り道したらどうなる?
ここは少し注意が必要です。
通勤途中に仕事や通勤とは関係ない目的で経路を外れたり、通勤とは関係ない行為をしたりすると、原則としてその間やその後の移動が通勤と認められなくなる場合があります。
一方で、日用品の購入など、日常生活上必要な行為を最小限の範囲で行う場合には、合理的な経路に戻った後は再び通勤として扱われるケースがあります。
そのため、
「コンビニなら絶対大丈夫」
のように単純には考えないほうが安全です。
具体的なケースで判断が分かれるため、迷ったら労働基準監督署に相談しましょう。
会社が「労災を使わないで」と言ってきたら?
これは、仕事中にケガをした人にとって非常に重要なポイントです。
もし会社から、
「健康保険を使ってくれ」
「会社で治療費を払うから労災にはしないで」
などと言われた場合は、まず本当に労災に該当しないのかを確認しましょう。
労災かどうかを最終的に決めるのは会社ではありません。
労働者本人が労働基準監督署に労災保険給付を請求し、その請求について労働基準監督署が支給・不支給を判断します。
会社が書類を書いてくれない場合
「会社が証明してくれないから労災を申請できない」
と思うかもしれません。
でも、会社が証明を拒否した場合でも、労災保険の請求自体はできます。
その場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
「労災隠し」はなぜ問題なの?
労災事故が発生すると、事業主には一定の報告義務があります。
死亡または休業した場合などには、労働者死傷病報告を労働基準監督署へ提出する必要があります。
そして、
故意に報告しない
ウソの内容を報告する
といった「労災かくし」は問題になります。
厚生労働省も、労災かくしについて罰則を適用するなど、厳正に対処するとしています。
だから、
「会社に迷惑をかけるから黙っておこう」
と考えるのではなく、
「まず正しく報告する」
ことが大切です。
FP3級で覚えておきたい労災保険のポイント
ここからは、FP3級の勉強をしている人向けです。
細かい制度を全部覚える必要はありません。
まずは次のポイントを押さえておきましょう。
・労災保険は仕事・通勤によるケガや病気などを補償する
・労災保険料は原則として全額事業主負担
・パート・アルバイトも原則として対象
・休業(補償)等給付は原則として4日目から
・休業(補償)等給付は給付基礎日額の60%
さらに休業特別支給金として20%が支給されるため、
60%+20%=80%
となります。
FP3級ならここを覚えよう
労災保険
・仕事・通勤が原因
・保険料は原則、会社が全額負担
・パート・アルバイトも対象
・休業補償は原則4日目から
・休業補償給付60%+特別支給金20%
このあたりを押さえておけば、まずは十分です。
「まねのーと」が実際に労災を使って感じたこと
僕が右手を骨折したとき、最初に思ったのは、
「現場に迷惑がかかるなぁ……」
でした。
現場監督をしていると、予定していた仕事が止まったり、他の人に負担をかけたりすることが気になります。
でも、今振り返ると、
ケガをしたことを隠さなくてよかった
と思っています。
報告して、病院を受診して、必要な手続きをする。
やることを一つずつ進めれば、ちゃんと制度を利用できます。
そして何より、
「仕事中のケガなんやから、労災を使うのは当たり前なんや」
と実感しました。
労災を使うことは、会社に迷惑をかけるためではありません。
働く人を守るために用意されている制度です。
労災で損しないための5つのポイント
最後に、実際にケガをしたときに覚えておきたいことをまとめます。
① 小さなケガでも報告する
「これくらい大丈夫」
と自己判断しないこと。
会社や元請けに報告しておきましょう。
② 病院で「仕事中のケガ」と伝える
最初に伝えておくと、手続きがスムーズです。
③ 健康保険を使ってしまっても放置しない
間違えて健康保険を使ってしまった場合は、病院や健康保険側に相談して、労災への切り替え手続きを進めましょう。
④ 書類や領収書を保管する
労災の手続きでは書類を使います。
自分が提出した書類や病院の領収書などは、できるだけ保管しておくと安心です。
⑤ 困ったら労働基準監督署に相談する
会社と話がうまくいかない場合や、
「これって本当に労災?」
と判断に迷った場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
会社が労災を認めない場合でも、労災の支給・不支給を判断するのは会社ではありません。
労災保険についてよくある質問
有給休暇を使った日は休業補償をもらえる?
一般的には、賃金が支払われている有給休暇の日は、休業(補償)等給付の対象となる「賃金を受けない日」には該当しません。
休業補償を申請するときは、有給を使った日があることも含めて確認しましょう。
労災を使うと会社に迷惑がかかる?
労災保険は、仕事や通勤による災害から労働者を守るための制度です。
「会社に迷惑をかけるから」という理由だけで、ケガを隠す必要はありません。
むしろ、労災事故を正しく報告することが大切です。
何日休んだら休業補償がもらえる?
労災保険の休業(補償)等給付は、原則として休業4日目からです。
業務災害の場合、休業1~3日目は会社による休業補償の対象となります。
パートやアルバイトでも労災を使える?
はい。
パートやアルバイトなど、雇用形態にかかわらず、原則として労災保険の対象です。
会社が「労災じゃない」と言ったら?
会社の判断だけで決まるわけではありません。
本人が労働基準監督署に請求し、労働基準監督署が支給・不支給を判断します。
会社が事業主証明を拒否した場合でも請求は可能です。
まとめ|仕事中・通勤中のケガは、まず労災を確認しよう
今回は、「労災保険 わかりやすく」をテーマに、仕事中や通勤中のケガについて解説しました。
最後に、これだけ覚えておいてください。
仕事中・通勤中のケガ
→ まず労災を確認する
会社に遠慮してケガを隠さない
病院では「仕事中のケガ」と伝える
健康保険を間違って使ったら、そのままにしない
会社と話が合わないときは労働基準監督署に相談する
「まねのーと」自身も、仕事中に右手を骨折して労災を使いました。
その経験から感じたのは、
「正しく報告して、正しく制度を使うことが、自分と会社の両方を守る」
ということです。
特に建設現場では、今では「労災隠しをしない」という考え方がかなり重要になっています。
もし今、仕事中や通勤中にケガをして、
「これって労災になるんかな?」
「会社に言ったほうがいいんかな?」
と悩んでいるなら、まずは一人で判断せず、会社や医療機関、必要に応じて労働基準監督署に相談してみてください。
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