「全財産を長男へ」でも大丈夫?相続の遺留分を図解でわかりやすく解説【FP3級】

相続の遺留分を図解で解説するFP3級向け記事のアイキャッチ画像 FP3級

どうも、「まねのーと」です。

※この記事はFP3級に合格した「まねのーと」が、その後も制度を整理するためにまとめた内容です。

FP3級の相続分野を勉強していると出てくるのが 「遺留分(いりゅうぶん)」 です。

実は「まねのーと」も最初は勘違いしていました。

「遺留品(いりゅうひん)」って言葉があるので、

「車とか宝石とか、亡くなった人の持ち物のことかな?」

と思っていたんです(笑)

ところが全然違いました。

遺留分とは、

「一定の相続人に法律で保障された最低限の取り分」

のことです。

FP3級では頻出テーマなので、しっかり押さえておきたいところ。

今回は遺留分の基本から計算方法、さらに図解を使った具体例まで、できるだけわかりやすく解説します。

もしこれからFP3級を受験しようと考えている方は
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遺留分とは?

結論から言うと、

遺留分とは、一定の相続人に認められた最低限の相続分です。

例えば、父が遺言書で

「全財産を長男に相続させる」

と書いていたとしても、他の相続人が一切財産を受け取れなくなるわけではありません。

配偶者や子どもには、法律で守られた最低限の取り分があります。

これが遺留分です。


遺留分が認められる人

FP3級では次の表を覚えておきましょう。

相続人遺留分
配偶者あり
あり
直系尊属(父母・祖父母)あり
兄弟姉妹なし

試験で最もよく出るのが、

「兄弟姉妹には遺留分がない」

というポイントです。

ここは頻出なので必ず覚えておきましょう。


遺留分の割合

相続人が父母・祖父母だけの場合

被相続人に配偶者や子がいないケースです。

この場合の遺留分は、

相続財産の1/3

になります。


それ以外の場合

FP3級でよく出るのはこちらです。

遺留分は

相続財産の1/2

になります。


遺留分の計算方法

計算はとてもシンプルです。

STEP1

法定相続分を求める

STEP2

遺留分割合(1/2または1/3)を掛ける

これだけです。


例題① 妻と子1人の場合

前提条件

  • 遺産:6,000万円
  • 子1人

法定相続分は

  • 妻:1/2
  • 子:1/2

です。


妻の遺留分

法定相続分
6,000万円 × 1/2 = 3,000万円

遺留分
3,000万円 × 1/2 = 1,500万円


子の遺留分

法定相続分
6,000万円 × 1/2 = 3,000万円

遺留分
3,000万円 × 1/2 = 1,500万円


例題② 妻と子2人の場合

前提条件

  • 遺産:6,000万円
  • 子2人

法定相続分は

  • 妻:1/2
  • 子:1/4
  • 子:1/4

です。


妻の遺留分

法定相続分
6,000万円 × 1/2 = 3,000万円

遺留分
3,000万円 × 1/2 = 1,500万円


子1人あたりの遺留分

法定相続分
6,000万円 × 1/4 = 1,500万円

遺留分
1,500万円 × 1/2 = 750万円


遺留分侵害額請求とは?

遺言によって遺留分が侵害された場合、

相続人は財産を受け取った人に対して

「不足分を支払ってください」

と請求できます。

これを

遺留分侵害額請求

といいます。


遺留分侵害額請求に贈与税はかかる?

結論から言うと、

贈与税はかかりません。

なぜなら、

遺留分侵害額請求で受け取るお金は「贈与」ではなく、法律で認められた権利だからです。

FP3級では

遺留分侵害額請求で受け取ったお金に贈与税はかからない

と覚えておけば十分です。


ケース別に考えてみよう!次男の遺留分はどうなる?

ここからは実際のケースで考えてみます。

前提条件

  • 被相続人:父
  • 相続人:母・長男・次男
  • 遺産総額:6,000万円

法定相続分は次のとおりです。

  • 母:1/2
  • 長男:1/4
  • 次男:1/4
相続の遺留分を計算するための法定相続分を示した図




次男の遺留分を計算

次男の法定相続分は1,500万円です。

そこへ遺留分割合1/2を掛けます。

1,500万円 × 1/2 = 750万円

つまり、

次男には最低でも750万円が保障されている

ということになります。

相続の遺留分を計算する手順をわかりやすく解説した図




パターン① 全財産を長男に相続させる

遺言の内容

「全財産を長男に相続させる」


遺言どおりに分配された場合

相続人取得額
0円
長男6,000万円
次男0円

次男はどうなる?

次男は本来750万円の遺留分を持っています。

しかし何も受け取っていません。

そのため長男に対して

750万円の遺留分侵害額請求

をすることができます。

また母も

1,500万円

を長男に請求できます。

相続の遺留分侵害額請求を長男への相続例で解説した図



パターン② 全財産を福祉団体へ寄付する

遺言の内容

「全財産を福祉団体へ寄付する」


遺言どおりに分配された場合

取得者取得額
福祉団体6,000万円
0円
長男0円
次男0円

次男はどうなる?

次男は本来750万円の遺留分を持っています。

そのため福祉団体に対して

750万円の遺留分侵害額請求

をすることができます。

同様に

  • 母:1,500万円
  • 長男:750万円

も請求可能です。

つまり、

相手が親族でなくても遺留分侵害額請求はできる

ということですね。

相続の遺留分侵害額請求を福祉団体への寄付例で解説した図



パターン③ 3,000万円を父の姉へ遺贈する

遺言の内容

「3,000万円を父の姉へ遺贈する」

※父の姉は相続人ではないため、「相続」ではなく「遺贈」が正しい表現です。



分配結果

まず父の姉が3,000万円を受け取ります。

残り3,000万円を法定相続分で分けると、

取得者取得額
1,500万円
長男750万円
次男750万円
父の姉3,000万円



次男はどうなる?

次男は750万円受け取っています。

これは次男の遺留分と同額です。

つまり、

遺留分は侵害されていません。

そのため、

遺留分侵害額請求はできません。

相続の遺留分が侵害されていないケースを解説した図



3つのケースを比較してみよう

遺言の内容次男の遺留分侵害額請求
全財産を長男に相続させる750万円請求できる
全財産を福祉団体へ寄付する750万円請求できる
3,000万円を父の姉へ遺贈するすでに750万円相続しているので請求できない

遺留分は、

「最低限保障された取り分」

です。

遺言の内容によって財産の行き先は変わりますが、遺留分が侵害されていれば請求できます。

逆に、遺留分以上を受け取っている場合は請求できません。

また、相続や遺贈は受け取る側が拒否することもできます。

ただしFP3級では、まず遺留分の計算と請求の仕組みを理解しておきましょう。

相続の遺留分の重要ポイントをまとめた図



遺留分侵害額請求でよく勘違いするポイント

遺留分侵害額請求は、

不足している分を「お金」で請求する制度

です。

例えば遺産に土地が含まれていた場合でも、

「土地の4分の1をちょうだい」

という請求はできません。

請求できるのは

金銭のみ

です。

ここもFP3級ではよく問われるポイントなので押さえておきましょう。


まとめ

遺留分とは、一定の相続人に法律で保障された最低限の取り分です。

被相続人が遺言書を残していても、配偶者や子どもなどは遺留分を主張できる場合があります。

FP3級では次のポイントを押さえておきましょう。

✅ 遺留分は最低限保障された相続分

✅ 配偶者・子・直系尊属には遺留分がある

✅ 兄弟姉妹には遺留分がない

✅ 遺留分は原則1/2

✅ 直系尊属のみの場合は1/3

✅ 遺留分侵害額請求は金銭で請求する

✅ 遺留分侵害額請求で受け取ったお金に贈与税はかからない

計算問題では、

① 法定相続分を求める

② 遺留分割合(1/2または1/3)を掛ける

この順番で考えると迷いません。

今回のケースでは、次男の遺留分は750万円でした。

FP3級試験では

「兄弟姉妹には遺留分がない」

が超重要ポイントですので、ぜひ覚えておいてくださいね。



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